2020.06.26

木造と鉄骨、建築的に資産価値のある家はどっち?<時間軸で考える豊かな家づくりvol.2>

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おしえて!お家づくり

デザインや住宅性能、立地条件にお金のこと…。家づくりで重視するポイントは十人十色。でも、これからの家づくりで大切なことはこれらのポイントを表面的に考えるのではなく、長い時間軸で暮らしを立体的に考えること。本当の意味で暮らしを豊かにしてくれるその考え方について、センチュリーホームに伺いました。連載2回目となる今回は、木造と鉄骨の家づくりの違いから将来の資産価値や街づくりについて展望します。

居心地の良さだけじゃない、木造住宅のメリット


Q木造住宅の良さとは何ですか?

A木のもたらす落ち着きや安心感日本人の心に訴える居心地の良さといった、精神的な部分ももちろんですが、20年30年先の街づくりを見すえたときの物理的・社会的なメリットも大きいと考えています。特に、台風や地震といった大きな自然災害が増えている気候の変化や、人口減が避けられない地方都市の将来を鑑みると、この側面はたくさんの人に知ってほしい部分です。

本質的な暮らしとはどういうものか?を常日頃情報をインプットし多方面な角度で研究しているセンチュリーホーム

木造住宅は省エネにつながる

Q具体的にはどのような物理的メリットがあるのですか?

A建築的な資産にもつながる省エネ性能や、素材としてのライフサイクルを生み出すことができます。昨今、地球温暖化防止のためCO2の削減が様々な場面で叫ばれていますが、実は建築産業の中で使われるCO2は他産業に比べても圧倒的に多いという事実があります。実際、40坪の木造住宅を建てるには2ヘクタールもの木が必要だと言われています。ただし、木材は植林することで若い苗木が成長するためにCO2を吸って空気を浄化したり、木造の建物そのものが生きた木としてCO2を吸着してくれます。また、最終的に解体した後も動物の飼料や燃焼効率の良いペレットなど、多様な活用法があります。つまり、木はエネルギーの循環を構築できる素材なのです。一方、鉄骨の場合、鉄鉱石を採掘し鉄に加工する段階でお金も電気も大量に要します。当然、電気を生み出すためには化石燃料も必要ですし、解体するのにかかる費用も木造よりもかかってしまいます。

鉄骨住宅の見落としがちな弱点

Qそれでも鉄骨の方が木造より丈夫で長持ちするのではないですか?

A確かに木と鉄を単純に素材として比較すれば、鉄の方が強度もあるし長持ちします。しかし、建築として見てみると丈夫で強い鉄は木造に比べて少ない量しか使われていません。しかも、意外と知られていませんが鉄骨住宅は火に弱く耐火性能をしっかり高めても、万が一火災が起きると高温で躯体が溶けてしまいます。一方、木造住宅の柱は鉄骨に比べて太さも大きさもあるので、構造の芯の部分は炭になって残ります。素材として長持ちするかどうかと建築として長持ちするかどうかは全く別の話なのです。「全てを木造住宅に!」とは言いませんが、近い将来限られた資源の中で生きていかなければならない私たちにとって、長期的なスパンで家づくりを考えた時にもっと木造住宅が必要とされるのではないでしょうか。

ドイツのフライブルクに見る将来の地方都市のあり方

Q限られた資源を循環させることが木造住宅の社会的なメリットにつながるのですか?

Aそうですね。正直、日本ではまだまだ疎かにされている部分ですが、海外では街づくりにも積極的に取り入れられています。例えば、ドイツにフライブルクという町があります。人口は30万人程度、町として長い歴史があるわけでもなく、戦後になって開発が進んだ点でも郡山市と重なる地方都市です。フライブルクは森林資源を活用した小さな循環社会が形成されていて、自家発電率でもドイツ国内で上位に入るほど。市内には市民なら無料で乗れる路面電車が整備され、生活環境も充実しています。社会的な評価も高く、日本と同様に高齢化が進んでいるドイツの中で、移住者も増えているそうです。近い将来、少子化・高齢化対策という問題を抱える日本の地方都市にとっても、見習うべき点がたくさんあると思います。

ドイツのフライブルグの街並み

社会的な価値を考えたこれからの家づくり

Qこれからの地方都市での家づくりで大切なことは何だと思いますか?

Aフライブルクのような小さな循環社会を地元で回せるようにすることだと思います。今後、人口減が進めば進むほど活力のある都市に人が流れ、そうではない町は衰退していくことでしょう。そうした時に大都市に供給するだけでなく、元気のある地元企業がどれだけあるかは重要なポイント。地元の木を使って家を建てる地元の工務店として、私たちもその一端を担っていると自負しています。幸い、福島県は全国でも五指に入る森林面積を有する森林県。木造住宅を活用した循環型の社会を築くにはこれ以上ない環境です!これから家を建てる人にとって、木造住宅を選ぶことが将来の街づくりにつながるとは、すぐにはピンと来ないかもしれません。でも、一人ひとりがちょっとだけ自分の住む町のことを考えながら家づくりをすることこそ、豊かな家づくり=街づくりの第一歩になるのではないでしょうか。

過ごす時間の価値を高めてくれるセンチュリーホームのモデルハウス

取材をしてみて3215.jp編集部の感想

これまで家づくりは家族にとっての幸せな場所を考えるものだと思っていましたが、長い時間軸で考えた時に、将来の街づくりにまで関わってくることだというのは新しい視点でした。確かに、せっかく満足できる家を建てたとしても、街そのものが衰退してしまったのでは豊かな暮らしは送れませんよね。木造住宅がもたらすメリットが社会的な価値につながるという発想も新鮮でしたし、同時にそこまで見据えた家づくりをしてくれるセンチュリーホームの頼もしさを実感しました。そんなセンチュリーホームの新しいモデルハウスが現在開発進行中です!完成は2020年内予定。3215.jpでは今後、その様子も随時紹介していきます。

時間軸を意識したコンセプトハウス(センチュリーホーム)が年内に完成予定


お話を伺った人
株式会社センチュリーホーム(郡山市安積町)
課長 小野塚浩基さん